映画「ミュージアム」の感想。ラストシーンの真意とは?【考察・ネタバレあり】

ヤングマガジンで連載されていた同名のサスペンスホラー漫画を実写映画化した作品「ミュージアム」が11月12日に公開されました。

小栗旬さんが主演ということで原作を知らなくても気になっている方が多いのではないでしょうか。

今回は「ミュージアム」を観てみた感想や考察を綴っていきたいと思います。ネタバレを含みますので、お気をつけください。

ミュージアムの基本情報

作品情報

  • 【監督・脚本】大友啓史(「るろうに剣心」「プラチナデータ」他)
  • 【原作】巴亮介

大友啓史監督の作品としては「るろうに剣心」シリーズで大ヒットを記録した監督ですね。漫画原作の映画が多い印象があります。

主要なキャスト一覧

  • 沢村久志(小栗旬) 警視庁捜査一課一係巡査部長。連続猟奇殺人事件とその犯人・カエル男を追う刑事。
  • 沢村遥(尾野真千子) 沢村の妻。家族を顧みず仕事に没頭する夫と距離を置いている。
  • 沢村将太(五十嵐陽向) 5歳の一人息子。
  • 西野純一(野村周平) 警視庁捜査一課一係警部補。沢村と共に連続猟奇殺人事件を追う新米刑事。
  • 岡部利夫(伊武雅刀) 警視庁捜査一課課長、警視正。
  • 関端浩三(松重豊) 警視庁捜査一課一係警部。
  • 菅原剛(丸山智己) 警視庁捜査一課一係警部補。
  • 沢村久志の父(大森南朋) 沢村の父であり、元刑事。通り魔事件で殉職。
  • 秋山佳代(田畑智子) 介護施設で働く、沢村遥の親友。
  • 橘幹絵(市川実日子) 慈光大学医療研究センターの女医。
  • カエル男(妻夫木聡)自らを「表現者。人を楽しませるアーティスト」と称す、雨の日だけに現れるカエルのマスクを被った殺人鬼。

 

あらすじ(ネタバレなし)

カエルのマスクを被った謎の男は、雨の日に限って現れる。

自らを「アーティスト」と名乗り、次々と猟奇的な殺人を繰り返していく「カエル男」。彼は、ターゲットを決めると独自の調査能力でじっくりと観察し、相手が一番嫌がる方法を見つけ出し、殺人を実行する。

稀代の犯罪者・カエル男を追うのは、捜査一筋、仕事人間の沢村刑事。そして連続殺人の最後のターゲットはその沢村刑事の妻であった。彼は妻と息子をカエル男に奪われ、身も心も追い詰められていく。なぜカエル男は沢村の妻に目をつけたのか。物語が進むにつれて、その驚愕の事実が扉を開ける。

映画をより楽しむための情報

映画の原作について

映画の原作はヤングマガジンにて発表された円亮介によるサスペンスホラー漫画です。

連載開始と同時に、その緻密な画、独特な人間心理描写、一度掴んだら離さないスリリングなストーリーが問題作として注目された作品ですね。

全3巻で完結するため一気読みしやすいのがいいですね。最近発売された新装版では上下の2巻で構成された完全版でオリジナル版に未収録の新作が追加されています。

今回の映画は漫画原作を忠実に再現しているため、個人的には映画を観てから読むのがオススメですね。

ミュージアムの感想

 グロテスクな描写が続く

今作は想像していた以上にグロテスクな描写や表現が続いていた印象がありますね。

グロテスクさが半端ないですね。観終わった後には食欲がなくなっていました。ハンバーガーなんて絶対にたべたくない気分です。

ただ、これほどグロテスクさを表現できているのはすごいことだなと感じますね。カエル男の猟奇性が上手く表現されていると思いました。

血や肉の塊はもちろん、ハエが気持ち悪かったですね。苦手な方は気分が悪くなりそうなくらいです。

ハンバーガーの衝撃と小栗旬さんの演技に鳥肌

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カエル男に捕らえられ、監禁されてしまった沢村は部屋から出るためにパズルのピースをつなぎあわせ、パスワードを入力しなければならないという状況に追い込まれます。

ここで、カエル男が沢村を殺さないようにハンバーガーとコーラを与えるのですが、そのハンバーガーが実は…という内容なのですが、原作を観ていなかったので鳥肌が立ちっぱなしでしたね。本当に気持ち悪くなりました。

そして、その事実に気づいた沢村(小栗旬)の演技もすごく良かったですね。あの絶望の表情はトラウマになりそうなくらいです。

また、カエル男とのラストシーンで沢村が銃で撃たれる描写があるのですが、ピクピクと動いている演技がリアルで不気味でした。

「ミュージアム」全体を通して、普段の映画やドラマなのではカットされるような描写や表現がエグく差し込まれることでより、リアリティが増しているなーと感じましたね。

カエル男を演じた妻夫木聡さんもいい味を出していました。ラストの台詞である「裁判になれば、オレの作品をみんなが見る。」 「そして訳知り顔で、学者たちが論じ合う。」 「オレがどうして壊れたのかを。」 「オレに同情するヤツも、いるかもな。」は少し悲しい感じもしましたね。

カエル男の目的とは?

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カエル男は自らをアーティストと名乗り、ミュージアムを完成させることを目的として猟奇的な連続殺人を繰り返しています。

これらの殺人を起こすきっかけとなったのが、幼女樹脂詰め事件が別の人間の犯行にされたことに激しい怒りを抱いていた。という理由なのですが、それだけの理由?と感じました。

また、幼女樹脂詰め事件で間違った判決を下した人間6人を殺害することでミュージアムが完成するというのですが、もし仮に沢村が殺されていればカエル男=霧島早苗とはならなかったのでは?それだと目的は達成されないような?という疑問が残りました。

カエル男と橘幹絵の関係性

事件終了後、カエル男がまだ生きていたことにも驚きだったのですが、さらにもう一つの驚きが。

病院の一室にいるカエル男へ親族として面会にやってきた兄妹である橘幹絵がカエル男へ注射をし、その直後カエル男が発作を起こして揺れ出すという描写がありました。

これにはどういった意味があったのか、カエル男は死んだのか、橘幹絵のその後は、などいくつか謎が残ったまま終わってしまいました。

ラストシーンの不気味さ

事件から3ヵ月後、沢村は体調を回復し、今まで通りの日常を取り戻しつつありました。

そして、雨続きだった場面から一転し、快晴の場面へ。息子の将太の運動会を遥と共に見守る微笑ましい展開に。

これでハッピーエンドで終わるのかなと思いきや、ビデオカメラに映っているのはしきりに首を掻き毟っている翔太の姿。その首元にどんどんズームインしていき、物語は終了しました。

これは息子がカエル男と同様に光線過敏症になってしまったということなのでしょう。これからもカエル男からは逃れられないというような不気味なエンディングでしたね。

原作を読んでから見ると、また違った見方ができるのかもしれませんね。

総評

グロテスクな描写をうまく取り入れたサスペンスホラー映画だと感じました。原作を知らなかったので、中盤まではストーリーが読めず、ハラハラさせてくれました。

原作を忠実に実写化しているということで、原作も読んでみたくなりましたね。原作の完成度が高いからこその映画だなと感じました。

小栗旬さんをはじめとする、出演者の方の演技もすごく良かったですね。徐々に壊れていく様がリアルでこちらにも恐怖感が伝わってきました。

次回作がありそうな、不気味なエンディングも「ミュージアム」全体を通しての不気味さや謎の部分とマッチしており、いい終わり方だなと感じました。

観終わった後に自分はこう思うといったような談義したくなる作品ですね。

あとがき

「ミュージアム」の感想についてでした。原作好きはもちろん、小栗旬さんの鬼気迫る怪演や、妻夫木聡さんノリノリなサイコ演技が気になる方はぜひ。食事後に観に行くことをおすすめします。